不気味なまでのすがすがしさ
 
 
 

ヒトも動物も花も消え
 
 
高さあるものはなく
冷たい風が吹き抜ける先に見えるのは
 
 

まだ何にも染まらない初めての世界
 
 
 
足を踏み入れても
 
 
変わることはなく
 
 
そのままに
 
 
 
無視されているかのように
 
 
毅然と存在していることが
いっそう自分をちっぽけに感じさせてくれる
 
 
 
始まったばかりなのか
終わって時間が経ち過ぎたのか
 
 
 
 
獰猛な自然の残酷さは
どんなものにも平等で
一切の甘えはない
 
 
 
全てを失い
何もない場所で
 
 
何にも影響を与えられず
 
 
 

やがて虚しさに蝕まれているうちに
初めから何もなかったことに安堵する
 
 
 
 
遥かに遠い大昔から
何も変わらないリズムが
 
 

それぞれを形作り
そしてほどけて消えていく
 
 

余韻が残った後、
 
 
無に近づく時に感じたもの