どこまでも広がっていく闇を
暗黒の中で感じる。
見えないけれど、
膨張し続ける世界が
ぼくを意識することなく
走り続けていた。
一体どこに向かっているのか
なんて分からないし、
そして知りようもないことなのは
重々承知であったにもかかわらず
僕はひたすら追いかけてしまっていた。
そもそも何を追いかけているのか。
無を追いかけているだけで、
追うことにもなっていないのではないのかと
心が埋まっていく蝕みに
肉体と精神は仲違いしているようだった。
一体何をしているんだろうか。
もはや自分でもわからないけれど、
見えないぼくが動き、
分裂し、
ときに収束するか拡散していく。
いくつかのぼくは生存を決意し
独自に育まれていく一方で、
親切なぼくは
なにものかに確かに殺され、
あるいはふるって
自殺に成功していた。
思っていたよりも儚かなかったけど
それでよかったのかは確信は持てない。
妙な安心感と虚無感とひとつの物語が
またひとつ幕を閉じていった
得も言われぬ心の衝撃が
ぼくをゆらした。
永遠の一部を失ってしまったことは
辛くもあったけど
完全に他人事のようであったから、
自分殺しを
ぼくはぼくで肯定することに
意識は向いていた。