鳴りやまぬ激流に弾ける生命
いつも通りの生態系が続いている、らしい
というのも、そんな噂は聞くものの
実際目にしたことはなく
誰かの妄想か作り話と感じるくらいには
私の日常とは違い過ぎて
そのことが頭をよぎるたびに
人に本当のことなのかを確認してしまう
返ってくる言葉はいつも同じだ
ほんの少しの期待が
ごく僅かな確率があるのであればと
頭ではわかっていても
その魅惑的なエラーを信じずにはいられず
この大きくて窮屈な球の籠
頑丈に執拗に覆う
気の遠くなるくらい高い
黒の天井
誰かが貫きぽっかりと開いた
丸い穴と漏れる一筋の光
時が経ち、
一時しのぎのまばゆい救いが
辺り一面を照らしても
集約されるその一点のみを
ただ追い続けていた