平面上の円よりは
もっと立体的な球だった。
私の上でコロコロと音を立て
重みを伝えてくれる。
そのままふっと
溶けて消えていくような
そんな時間が包んでくれた。
日常の延長線上にある今も
ぶつ切りの
いい加減な思い出の欠片も全て
見えなくなってしまう
光の塊に照らされていた。
優雅で
永遠にも感じられる一瞬に飲まれ
溺れていくのに
力は少しもいらなかった。
沈んでいく
朦朧としていく意識に任せながら
離れていく星に手をかざす。
どこまでも遠く。
それは希望でもあり
同時に絶望でもあった。