いつだってそばにいた。
けれど、
そばにいなくてもよかった。
何のために近くにいるのかも
よくわかっていない。
もしかしなくても、
私は不必要なのかもしれない。
不確かな空間に
あいまいな自分が佇んでいる。
そこでは何かしているようで
何もしていない。
こんなにも
世界は広く感じられる。
何でも出来そうな気にさせてくれる。
でも何も出来なかった。
受け入れるだけ。
ただ、なされるままに流されていく。
照らされ、映しだされる。
それだけだった。
あまりにも世界に馴染みすぎた私は
世界と一つになっていたようだ。
誰からも
存在を認められることはないけれど、
触れている感覚も
触れられている温かさも
そこにある感覚だけは
強く信じられる根拠でいてくれた。